それいけ!うめちゃん先生

小学校/先生/青年海外協力隊/現職教員でも無給/パラグアイ/教育

気候変動と野焼きと人々の暮らし

日本では、あまりニュースになってなかったかもしれませんが、

最近、ブラジルのアマゾンで大規模な森林火災が起きていた。

その火災がパラグアイまで届いたのか、そうでないのか

理由は定かではないけど、パラグアイのチャコ地方も、

森林火災が起こっていた。

f:id:umeboshisakita:20190930034523j:plain

チャコ地方の火災の様子

 

今年の天気はまさに、「気候変動」を感じるパラグアイ

雨がよく降るはずの冬なのに、去年に比べて圧倒的に雨が少ない。

雨が降らなさすぎて大地は乾ききってる。

寒くなったと思ったら暑くなって、の繰り返し。

パラグアイ人たちも「気候がおかしい」と言っている。

 

雨が全然降らなかった8月は、至るところで

「野焼き」されているのを見た。夜、となり町から

自分の町に帰る途中にごうごうと燃える草原。

f:id:umeboshisakita:20190930034616j:plain

これは昼の野焼きの様子

いつもバスで通る主要道路の道端が真っ黒こげ。

信じられないほど、燃やされていた。

f:id:umeboshisakita:20190930034653j:plain

真っ黒焦げ。

そして町は煙で覆われていた。

f:id:umeboshisakita:20190930034731j:plain

朝日の見えへん朝日。この週はずっと青空が見えへんかった。

 

ほんでわたしは思った。

「なんでこんなに燃やすんやー!!環境破壊やー!!

燃やすの禁止にせぇー!!」

 

でも、やっぱり燃やすのには理由がある。

わたしの住む町は酪農が盛んで、みんな牛の乳搾りから

収入を得ている人が多い。もちろん収入は低い。

 

冬は牛のえさ(草)があまりない

+牛は古い枯れた色のような草はあまり好まない

→えさ食べない、牛乳少ない

→収入を得られない

っていうのが冬の酪農家たちのサイクルらしい。

 

野焼きして、そこに雨が降ったら新しい緑の草が生えだすらしい。

牛はその新しい緑の草を好む。牛がえさを食べれば搾乳量が増える。

だからみんな燃やすんだと。

 

「野焼き」が環境に良くないこと、どれだけの人が

知っているのか定かではないけど、少ない収入を確保する

ための営みの一つが「野焼き」なんやと実感。

 

簡単に「燃やすの禁止にせぇーーー!!」という問題ではないんやと。

今週、ネットのニュースで学生たちが環境問題のデモを

している記事を読んで、何とも言えない違和感にかられて。

headlines.yahoo.co.jp

 

www.nikkei.com

↑合わせて読んでほしい記事たち

 

政府や世界のお偉いさんに働きかけることは間違いなく

必要で、重要なこと。でも、一見、環境破壊と思われる行動の

裏には、みんなが知らんような背景やストーリーが、

そこの人たちの暮らしがあるんやなぁって思った。

(書きながら当たり前のこと言ってるって思った。笑)

 

そこを知って行動するのか、流行りのファッションを

身にまとうようにデモをするのか、全然違うと思った。

(決してデモに参加する人を批判したいわけではないです!)

 

環境保護の観点で、ただでさえ余裕のない生活をしている

人たちが、もっと苦しむことにならないように、

世界が良い方向に動けば良いなぁと感じている!

小さなことからでも実行していきたいなぁと思う。

(こういうふうに見たことを発信すること、

ビニール袋もらわない、とか)

 

日々、いろんなことが学べる田舎ライフも残り9ヶ月!